「倍速液晶」とは、通常1秒間に60コマで表示している映像を倍の「120コマ」に増やして表示させ、液晶テレビ特有の「映像がぶれて見える」あるいは「映像が見えにくい」などの不具合を解決し、「明るく」「クッキリ」と表示させるために開発された「高精度補間アルゴリズム」と「液晶パネル」技術です。
ビクターの「倍速液晶」は、通常1秒間に60コマで表示している映像を倍の「120コマ」に増やして表示するために、前後の画像を比較して演算処理を行い、コマとコマの間に新たな映像を作り上げ表示させています。
従来の液晶テレビには、動きの早い映像がブレて見える課題があり、これを解決する方法には、コマとコマの間に黒い画面を挿入する黒挿入方式があります。しかし、この方式では「映像がブレて見える」ことを低減する一方で、画面が暗く感じられ、またチラつきが発生します。 ビクターの倍速液晶では前後の映像を補間すべき新たな映像を作り上げることで1秒間のコマ数を増やし、動きの速い映像でも残像感が少なく、明るく、はっきりとした映像を映し出すことが可能になりました。
通常1秒間に60コマで構成されている映像に対し、「倍速液晶」では高精度補間アルゴリズムにより120コマでの映像表示を行うことで、従来の液晶表示方式で生じる残像感を大幅に低減。
この技術により、ニュース番組に流れるテロップやアクションシーン、サッカー・野球など動きの速い映像に対して、滑らかでクッキリした映像を楽しむことができます。
MPRT(※)は、人間が視覚的に感じる映像のブレを評価する測定法のひとつです。従来、液晶テレビの動画性能は液晶パネル自体の応答速度で評価されていましたが、その評価法では液晶のホールド表示によって起きる残像感を比較することができませんでした。
左図は液晶パネルの応答速度とMPRT値の関係を60Hz駆動・120Hz駆動について示したものです。
例えば、応答速度が8msの液晶パネルを使用した場合で比較すると、従来の60HzのMPRT約15msに対し、「倍速液晶」の120Hz駆動では約10msに改善できます。
この数値は、倍速駆動120コマが、従来の60Hz駆動60コマの限界(応答速度0msのときのMPRT=約13ms)よりも残像感がなく、動画性能に優れていることを意味しています。
※「Moving Picture Response Time」の略で人間が感じる応答速度を客観的に評価できる。