「光無線ハイビジョン伝送」技術とは、ハイビジョン等の高品位映像を画質劣化なく非圧縮で伝送可能な光無線技術です。家庭用では初めて1.5Gbpsの高速ワイヤレス伝送を光無線技術で実現し、有線ケーブル伝送と同等の画質劣化のないワイヤレス伝送を可能にしました。

現在、壁掛けタイプの大画面・高精細度ディスプレイが普及しつつありますが、実際にディスプレイを壁に設置し、スタイリッシュなホームシアターを構成しようとしても、ディスプレイの接続ケーブルの敷設が障害となって、なかなか実現できないという問題が起こっています。
その解決策として最も期待される技術がワイヤレスによる映像伝送です。
現状の電波無線方式は映像を圧縮して送るため、ホームシアターのようにアナログソースや各種圧縮フォーマットのソースを扱う用途では、全てのソースを有線と同等の画質で伝送することは不可能でした。　当社はこうした問題を解決するために、長年ワイヤレスLANの応用で開発を進めてきた光無線技術の高速大容量伝送化に挑戦。手軽に高品位映像を画質劣化なく伝送できるワイヤレス技術に取り組み、今回家庭用としては初めて「光無線ハイビジョン映像伝送システム」を開発しました。本システムは、従来実現が困難とされていた1.5Gbpsの高速ワイヤレス伝送を光無線技術で可能にしたもので、煩わしいコード配線をなくし、インテリアコーディネートの面でも優れた「ワイヤレス視聴環境」を実現しました。

本システムでは、新開発のアイセーフ光学系により、高速伝送が可能なレーザーダイオードによる送信光を目に直接入っても安全なやさしい光に変えて伝送します。アイセーフ光学系は下記の構造図に示すように、レーザー光を拡散面にオフフォーカスで当て、２次的に拡散面光源を生成します。さらにアイセーフレンズと反射面により高効率な平行光にしたアイセーフ光を出射します。 アイセーフ光学系を使わないレーザー光が目に照射された場合、図に示すように最悪の条件下では網膜上に極めて急峻に焦点を結び、網膜の熱変化を発生させる可能性があります。本システムで採用したアイセーフ光学系は非常に広い範囲に結像するため、目に対する高い安全性が確保されます。

受信機はLW-HDW1で幅119mm×高さ31mm×奥行き97mmの省スペースサイズですが、将来的にはさらに小型化が可能で、ディスプレイへ組み込める可能性を持っています。

光送信機は高速伝送を達成するためビーム状の光で送信を行うので、高速受信機にビーム光を正確に当てる必要がありますが、本システムは自動的に光軸を調整する自動光軸アライメント機構を搭載することで光軸調整操作をなくしました。設置時の調整のわずらわしさや、掃除などの際に送信機を動かした場合の再調整も不要で、だれにでも簡単にワイヤレス接続が可能となります。