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Everioは小型ハードディスクを利用する世界初のビデオカメラです。
初めての取り組みだけに、開発段階では様々なチャレンジがあったようです。
このコーナーでは、実際にプロフェッサーMがEverioの開発者たちを訪ねて行ったインタビューを採録します。

Interview YUKIO SUGIMURA Everio Story
メカと外装を担当した技術部の杉村幸雄さんから、小型ハードディスクを衝撃から守るフローティングダンパーシステムのお話を伺いました。

日本ビクター AV&マルチメディアカンパニー
カムコーダーカテゴリー 技術部
杉村幸雄

 

小型ハードディスク採用による課題は
問 Everioでの小型ハードディスクの採用を巡り、開発上、最大の難関は何でしたか?

 

何と言っても、衝撃対策です。小型ハードディスクの対衝撃限界は、停止時で2000G、動作時で200Gと言われています。テープと比べると衝撃に弱い。ここをどうクリアするかが大きな課題でした。 小型ハードディスク
問 200Gというと重力の200倍の加速度ということですが、日常的な尺度で言うと、どの程度の衝撃になるのでしょうか?

 

だいたい8pから9pの高さから、かたい机の上に落とした時の衝撃が200Gに相当します。ビデオカメラにしても、デジカメにしても、日常的にとは言わないまでも、時には遭遇する衝撃です。

 

フローティングダンパーシステムの開発
問 小型ハードディスクの衝撃対策は、どのようにクリアされていったのでしょうか?
 

まず、カメラの機構の中で、小型ハードディスクを浮かせるしかないと。フローティング状態にするわけです。
緩衝材(ダンパー)としてはゲル(ゼリー状物質)が有効なのですが、一口にゲルと言っても、たくさんの種類があります。

小型ハードディスクをフローティング状態にするのにもっとも適したゲルを探すのが第一段階でした。 その次に、ゲルの表面積をどうするかという問題があります。 

 
問 えっ?最適なゲルが見つかれば、それをたくさん使って、小型ハードディスク全体を包んでしまえば良いのじゃないのですか?
 

そう考えがちですが、実は違います。ゲルは大きく使えば使うほど、変形の度合いが小さくなり、衝撃を吸収する力が小さくなります。かといって、あまり小さく切って使うと、ちょっとした力でも限界まで変形してしまい、それ以上の衝撃を吸収できなくなります。 

 
問 どんな表面積を持つゲルをどこに何個配置するのがベストなのかを追い込んだわけですね。
 

そうです。試作機の中に加速度センサーを仕込み、大量のデータを蓄積・解析しました。その結果、ゲルを16個使って小型ハードディスクを浮かせるのが最適という結論に達しました。 

 
問 目標達成!ついにフローティングダンパーシステムの完成ですね。
 

と言いたいところですが、一筋縄ではいかなかったのが事実です。
その後も、ゲルのバランスを調整したり、他の部品との干渉を無くすという調整の積み重ねで満足の行く製品化にこぎ着けました。Everioの耐衝撃性は、一般のデジタルビデオカメラとまったく変わらないレベルに達しています。 

新開発のフローティングダンパーシステム
新開発のフローティングダンパーシステム

 

世界初の開発とビクターの蓄積
問 世界で初めて、ビデオカメラへの小型ハードディスクの搭載を成功させて、どんな思いがありますか?
 

ハードディスクを利用したカメラは、テープを利用したカメラに比べて機構的にはシンプルなものですが、私たち日本ビクターは、今までテープを使ったカメラの開発に専念してきましたから、メカ的には、ほぼゼロからの開発でした。

そこには耐衝撃性のクリアという、今まで私たちが直面したことのなかった大きな課題もありました。振り返ってみると、苦労もありましたが、意欲を持って立ち向かったのも事実です。

また、今まで、複雑なテープの機構を開発し続けてきた日本ビクターの開発陣の実力があったからこそ、Everioのフローティングダンパーシステムが実現できたという誇りもあります。

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