ネットワークカメラはツイストペアケーブルを用いて、LANのインフラで使用します。
ネットワークカメラはネットワーク上では固有のIPアドレスを持つ、パソコンなどと同じように一つのノード(ネットワーク機器)として動作します。カメラとその画像をモニタリングするパソコンとの通信は、ネットワークのプロトコルにしたがって行われます。パソコンからカメラ用のアプリケーションソフトを使用することによって、カメラの画像表示やコントロール、録画などの操作を行うことができます。
一方通常のCCTVカメラは同軸ケーブルを用いて、アナログ映像のインフラで使用します。
カメラとモニターなどをビデオ入出力端子で接続することにより、映像そのものを直接モニター上で見ることになります。コントロールするには専用のコントロールユニットが必要ですし、録画するにはハードディスクレコーダー等を別途用意する必要があります。
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機 種 | アプリケーション |
VN-C625 | 標準コントローラーソフト(VN-C625添付ソフト) |
マルチビューワー(VN-S400:別売) | |
Webブラウザ(Internet Explorer) | |
VN-E4 | 録画サーバーソフトウェア(VN-RS800) |
Webブラウザ(Internet Explorer) | |
VN-C20 | 録画サーバーソフトウェア(VN-RS800) |
Webブラウザ(Internet Explorer) | |
VN-C215 | 録画サーバーソフトウェア(VN-RS800) |
Webブラウザ(Internet Explorer) | |
VN-C215VP | 録画サーバーソフトウェア(VN-RS800) |
Webブラウザ(Internet Explorer) |
(1) スイッチングハブと接続する場合
VN-C625/E4/C20/C215/C215VPにつきましてはカテゴリ5以上の「ストレート」のツイストペアケーブル(UTP)を使用して接続してください。ただしカスケード接続用のポートに接続する場合は、「クロス」のツイストペアケーブル(UTP)を使用してください。
(2) パソコンと接続する場合
パソコンのNICのLANポートに直接接続する場合は、VN-C625/E4/C20/C215/C215VPにつきましてはカテゴリ5以上の「クロス」のツイストペアケーブル(UTP)を使用して接続してください。
V.NETWORKSの基本情報であるIPアドレスやパスワード、画像形式を設定するには、VN-C625の場合は標準で添付している、専用のアプリケーションソフトの「セットアップツール」を使用して、V.NETWORKSのIPアドレスに対してアクセスし設定します。またアラームを有効にする設定もセットアップツールから行います。画質やフレームレートなど実際の表示(画像の見え方)に関わる部分を設定する場合には、同じく標準で添付している、専用のアプリケーションソフトの「(標準)コントローラーソフト」を使用して行います。
またVN-C625/E4/C20/C215/C215VPは、汎用のWebブラウザ(Internet Explorerなど)を使用して、上記のすべての設定を行うことができます。
(VN-E4/C20/C215/C215VPに「セットアップツール」、「(標準)コントローラーソフト」は添付されていません。)
VN-C625専用アプリケーションソフトの「セットアップツール」から、「検索」機能を利用してIPアドレスを検索することができます。このときHTTPのポート番号を変更している場合、いったん「セットアップツール」から、該当のV.NETWORKSに接続してください。
セットアップツールの起動画面から、さらに「Web」を選択し→「Web設定」画面を確認することにより、現在V.NETWORKSに設定されているHTTPのポート番号が分かります。
(ポート番号を変更することもできます)
※HTTPのポート番号をデフォルトの80番から変更してしまった場合(例:1000番)、WebブラウザからV.NETWORKS(例IPアドレス:192.168.0.2)にアクセスするには、WebブラウザのURL入力欄に下記のように記述してください。
「http://192.168.0.2:1000」または「http://192.168.0.2:1000/index.html」
VN-E4/C20/C215/C215VPは、商品添付のCD-ROMに収納されている「検索ツール」を利用してIPアドレスを検索することができます。
VN-C625/E4/C20/C215/C215VPでは、3段階のレベル(「ユーザ」「オペレータ」「管理者」)でパスワードによるアクセス権限を与えることができます。「ユーザ」レベルでは画像の閲覧のみ、「オペレータ」レベルではカメラのパン・チルト・ズームのコントロールまで、「管理者」レベルではフルコントロールとなります。
パスワードの解除作業は、機密保護も含めて修理扱いとなります。お手数ですが、その場合は弊社のサービス窓口までご相談ください。
V.NETWORKS全機種は屋内使用(設置)を前提に設計されています。屋外に設置する場合は、屋外用のカメラハウジングが必要です。
VN-C625については、使用可能な屋外用ハウジングとして、「WB-1540」があります。
VN-C20については、CCTV用のハウジングが使用できますので、弊社「WB-1202」や「WB-1502」が使用できます。
VN-C215VPは防塵・防水設計のため屋外設置可能です。(IP66準拠)
詳しくは弊社営業部門にご相談ください。
ネットワークカメラとスイッチングハブなどを接続する場合のツイストペアケーブル(UTP)の長さは、最長100m以内としてください。ただし途中でスイッチングハブなどの機器を中継することによって、総延長距離を延ばすこともできます。
またメディアコンバーターを使用して光ファイバケーブルで接続することにより、ケーブル単体で格段に接続距離を延ばすことができますが、一般にメディアコンバーター接続の場合は全二重通信(固定)が基本ですので、接続するポートの設定にもご注意ください。
(※全二重固定設定とオートネゴシエーションは通信不可)
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当社のPoE対応カメラは、国際基準IEEE802.3af対応ですので、給電装置側もその規格を満たしている必要があります。 給電装置ご選択の目安として、下記の機器との動作検証を行いましたので、参考にしてください。
メーカ | 型番 | 補足 |
Buffalo | BIJ-POE-1P | 1ポートPoE給電器 |
Planex | SW-0008FP | 8ポート 10M/100M PoE Switch |
松下ネットワーク オペレーションズ | Switch-M12PWR | 12ポート 10M/100M PoE Switch |
松下ネットワーク オペレーションズ | Switch M5ePWR | 5ポート 10M/100M PoE Switch リモートからPoE給電ON/OFF可能 |
アライドテレシス | CentreCOM 8624PS | 24ポート 10M/100M PoE L3 Switch |
HP | ProcurveSwitch 2626-PWR | 24ポート 10M/100M PoE Switch (+ 2 port Gbit) |
HP | ProcurveSwitch 2600-8-PWR |
8ポート 10M/100M PoE Switch (+ 1port G bit) |
パンドウイットコーポレーション | DPoE24U1X + DPoEPWRCM + DPoEPWRR1250 | 24ポートPoEパッチパネル +電源ユニット |
PowerDesine | PD-3001/AC PD-3006/AC |
PD-3001〜1ポートPoE給電器 |
V.NETWORKSが1秒間に配信できる画像のフレームレート(またはビットレート)はスペックによって決まっています。その範囲内において同時にアクセスして画像を見ることのできるユーザーは10人程度です。ただし多数のユーザーが同時にアクセスすることにより、フレームレートまたは画質が低下する場合があります。
VN-C625は10人程度、VN-C20/C215/C215VPは5人までとなります。
VN-E4は各ユーザーが見たいカメラの台数の合計が10を越えることはできません。各ユーザーが1台のカメラを見たい場合、1台のVN-E4に10人のユーザーが同時にアクセスできます。各ユーザーがカメラ4台を同時に見たい場合は、1台のVN-E4にアクセスできるユーザーは2人までとなります。
厳密な物理的制限があるという訳ではありませんが、ネットワークカメラのシステムとして検討する場合には、画像を配信するV.NETWORKSや、画像を受信して表示するパソコン、画像を表示するためのアプリケーションソフトに、個々のスペック値としての制限があります。
またV.NETWORKSはネットワーク上における一つのノード(ネットワーク機器)として動作しますので、一般的なネットワークシステム設計上の論理的な制限と同様に検討すべき事項が存在します。これは接続するネットワークそのもののシステム設計要件に関わりますので、システム設計の際にはこれらを踏まえてご検討ください。
(帯域、トラフィック、IPアドレス数、セキュリティなど)
優先制御権はありません。複数のユーザーからアクセスがあった場合、最後にアクセスを受けた結果からコントールされた状態(パン・チルト・ズームなど)となります。これはV.NETWORKSには複数ユーザーからのアクセスに対して、設定情報を共有するという、V.NETWORKSのシステムを設計するうえで、非常に重要な考え方に則しています。
V.NETWORKSは複数のユーザーからアクセスがある際には、すべてのユーザーに対して同じカメラ情報の設定値を共有する、ということを注意しておいてください。
V.NETWORKSはJPEGの画像を設定したフレームレートまたはビットレートにより、画像を配信します。このとき画像サイズごとに、配信可能な最大のフレームレート/ビットレートの値は決まっています。1秒あたりにどのくらいの画像データを配信するかは、この設定により決まります。
JPEG画像の場合、1枚あたりの画像ファイル容量は、画像サイズと圧縮率の設定と被写体によって決まります。実際の画像ファイル容量を求めるには、「静止画保存」機能を使用しますが、一般的に目安となる値は求められています。この値にフレームレートの設定値を掛け算することによって、1秒あたりの画像ファイル容量が求められます。この値はバイトですので、これに8を掛けてビットに換算することによって、1秒あたりのビットレートとして求められます。
このV.NETWORKSから配信される画像データがネットワークにおけるトラフィックとなり、それを元に必要なネットワークの帯域を考えることができます。一般的な目安として、1秒間に送出される合計画像データ量の、2倍以上のネットワーク帯域が必要です。
サーバーなどと同じようにV.NETWORKSも固有のIPアドレスを持つネットワーク上の一つのノードであることから、インターネット上で使用するためには、第一条件として固定のグローバルなIPアドレスが必要です。よってそのためには、固定グローバルIPアドレスを付与するサービスを持ったインターネットサービスプロバイダと契約することが必要です。
また実際にどの程度のフレームレートで画像を表示できるかなどは、使用する帯域、アクセスクライアント数によりますし、その他使用できるプロトコル(ポート番号)、セキュリティなどを検討する必要があります。
VN-C625の画像ファイルのURLを、Webページの中で画像ファイルとして記述し、リンクを張ってください。
■ Java Appletによる表示
下記の内容を記述したWebページにより、Java Appletに対応したWebブラウザ(Internet Explorerなど)で動画像を表示させることができます。
<APPLET CODE="mjpeg.class" WIDTH="640" HEIGHT="480"
CodeBase="http://(カメラのIPアドレス)/"></APPLET>
※"WIDTH"と"HEIGHT"の設定値は、V.NETWORKSで設定した画像サイズと同じ値にしてください。
VN-C625/E4/C20/C215/C215VPは100Mbps全二重通信に対応しています。このうちVN-E4/C20/C215/C215VPはWebブラウザでポートの切り替え設定ができます。接続するスイッチングハブのポートを手動で100Mbpsの全二重の固定設定にしていても、VN-E4/C20/C215/C215VPを手動で100Mbpsの全二重の固定設定にすることによって、確実に100Mbpsの全二重通信を行うことができます。しかしVN-C625では、ポートの仕様はオートネゴシエーションのみとなっています。接続するスイッチングハブのポートを手動で100Mbpsの全二重の固定設定にしている場合には、通信できません。この場合はスイッチングハブのポートをオートネゴシエーションの設定にして、そのネゴシエーションの結果がうまくいけば100Mbpsの全二重通信を行うことができます。
推奨要件を、下記に挙げます。
・ ハブの種別
スイッチングハブを推奨します。
・ 通信速度と通信モード
基本的にはオートネゴシエーションモードでの使用で構いませんが、オートネゴシエーション時には電源などからノイズの影響を受けたときに通信状態が不安定になる場合があります。このときにポートを固定設定にしておくと、通信状態の不安定を軽減または回避できることがあります。こういったリスク回避を見込んで、ポートごとに手動設定できるものを推奨します。
・ フローコントロール機能
バックプレッシャ機能とIEEE802.3x機能が利用できるものを強く推奨します。V.NETWORKSはIEEE802.3x機能に対応していませんが、接続しているスイッチングハブが他のPCやスイッチングハブと接続しているときにそちら側でも全二重通信をしている場合が考えられます。このときにIEEE802.3x機能が相互の接続間で有効になっていれば、効率的なフローコントロールが実現できます。
・ SNMP機能
SNMP機能を有しているものを推奨します。
V.NETWORKSはSNMPのMIBを搭載していませんが、接続しているスイッチングハブがSNMP機能を有していれば、ポートの監視を行うことができます。何らかの障害によりV.NETWORKSとのリンクが切れると、SNMPマネージャに対してエラートラップが発せられますので、障害切り分けを行うにあたり有効性があります。
・ 電源
ACアダプタタイプの差し込み口は電源タップに接続するときなどにかさばりますので、「電源内蔵型」を推奨します。また電源側からノイズの影響を受けたときに通信状態が不安定になる場合がありますので、接続する電源タップはノイズフィルター付きなどを選択するようにしてください。
V.NETWORKSはSNMPのMIBを搭載していませんが、接続しているスイッチングハブがSNMP機能を有していれば、ポートの監視を行うことができます。何らかの障害によりV.NETWORKSとのリンクが切れると、SNMPマネージャに対してエラートラップが発せられますので、障害切り分けを行うにあたり有効性があります。
よって、V.NETWORKSはSNMPに対応はしていませんが、SNMP対応機器と接続することはできます。寧ろSNMP機能を有しているスイッチングハブとの接続を推奨します。