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デジタル放送をきれいに長時間記録できる
「D-VHS」とは?


<デジタル放送などのマルチメディア時代に対応した
  VHS互換フォーマット>


D-VHSシステムの概要

D-VHSシステムでは、
 (1)現行のアナログ放送の番組記録に加え、ビットストリーム記録方式※による
  デジタル放送のデジタル番組記録が可能
 (2)大容量のテープメディアの特性を活かし、マルチメディア時代に対応した
  デジタルデータ記録が可能
 (3)世界に蓄積された膨大なVHS映像資産の再生が可能
という特徴があり、コストパフォーマンスの良い、マルチメディア時代の家庭用大容量データストレージ(蓄積媒体)として、新たな用途展開が可能になります。

デジタルデータをそのまま記録すると何がよいのか?

デジタル放送は、プラズマディスクプレイなどの高品位テレビで高精細画像を鑑賞できますが、受信時のテレビモニターの画質を基準にすると、その放送をVHS/S-VHSで録画した場合、その画像データはアナログとして記録され、再生すると画質は放送受信時より劣化します。D-VHSは、映像・音声・データ等をデジタル信号のまま録画する方式なので、テープ記録における劣化が少なく、放送受信時と同等の画質を再現できます。デジタル放送での3チャンネル同時送信するマルチチャンネル放送もそのまま同時に記録できます。また、D-VHSは、アナログ放送でもMPEG2でデジタル信号に変換・圧縮して記録することも可能です(エンコーダー内蔵D-VHSビデオレコーダーの場合)。この方法でもテープの記録・再生での画質劣化を防止できます。420分テープを使って、データ転送レート4.7MbpsのLS3モードで21時間の録画が出来ます。

D-VHSテープ上の記録信号の構造



D-VHSテープ上の記録信号の構造

D-VHSは、これまでのVHS構造を基本に設計されています。
 
TRACK COMPOSITION
(1) Outer parity ・・・・・ 10×3 Sync blocks
(2) Main data ・・・・・ 102×3 Sync blocks
(3) Sub data ・・・・・ 4 Sync blocks
TRACK STRUCTURE
  1 track = 356 Sync blocks
  Main code = 336 Sync blocks
MAIN DATA SYNC BLOCK
  1 Sync block = 112 symbols(1symbol=8bit)
  Main data = 99 Sync blocks


デジタル映像ソフト用著作権保護技術を開発

D-VHS規格の最高品質の記録モードであるHSモードを使用したHDプリレコーディッドソフト(高精細録画済デジタルビデオソフト)の著作権保護システムを開発。 これにより、
 (1)高精細(HD)デジタルパッケージソフトの発売
 (2)HSモード搭載のD-VHSビデオレコーダーの開発
が容易になり、D-VHSは21世紀の家庭用デジタルレコーダーとして、普及への条件整備を更に一歩進めました。


D-VHSテープ技術

デジタル記録のための徹底した低エラーレート設計
  磁性体の高Hc化及び微粒子化、均一化を行い、広域でのC/N特性を大幅に向上。出力アップとエラーレートの低減を同時に達成し、理想的なデジタル記録・再生を実現しました。
超精密表面加工技術D-SS(D-Sensitive Science)理論の実現
  従来のS-VHSビデオテープで培った表面磁性層形成技術(SS理論)を応用し、テープ表面の微小突起形成をD-VHS記録用に最適化する表面磁性層形成技術(D-SS理論)を完成させました。このことにより10MHzを越える広帯域の記録でも余裕で対応でき、テープとヘッドとのスペーシングロスを理想的な状態に保つことを可能にしました。また、従来にもまして安定したテープ走行性を確保しました。
ヘッドクリーニング性の向上
  テープ自身が有するヘッドクリーニング性を向上し、ヘッド汚れ付着によるテープ/ヘッド間のスペーシングロスを低減してデジタル記録で必要とされる高域でのC/Nの低下を防ぎ、高信頼性を確保しました。


<D-VHSテープ特性表>

  項 目 単 位 DF-420A DF-300A/DF-240A
寸法特性 テープ全厚 μm 12.4 17.5
磁性層厚 μm 2.3 2.5
テープ幅 テープ幅 mm 12.650
テープ幅変動 mm 0.002
物理特性 降伏点荷重 N 18.0 24.5
磁性層表面電気抵抗 Ω/SQ 1×1010
磁気特性   保持力 KA/m 75.5
残留磁束密度 mT 180
角形比 - 0.87
  ビデオ特性   RF出力 9.6MHz dB +1.0
C/N 9.6MHz dB +1.0 +1.2
ビデオ S/N dB 0 +0.5
カラー S/N dB -0.5 0
クロマ出力 dB -0.4 0
 オーディオ特性  感度 dB 0
周波数特性 dB 0 +0.5
消去特性 dB 70以上
(上記特性は、当社の測定法によるDF-420AとDF-300Aの代表値です。★印の特性はS-VHSリファレンステープとの偏差です。)



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