教育

作品概要
小学5年生のクラス全員による逆上がり挑戦プロジェクト。子供達の表情やしぐさが輝いていて、みんなで協力しあって目標を達成する過程が描かれている。見る人にも共感させる元気いっぱいの作品。

「努力すれば必ずできるようになるんだを映像に残せました」

――作品制作のきっかけは何だったのでしょうか?
私は小学校の教員をしておりまして、記録として残してあげることで、子供たちのいい思い出になると思い撮影しました。

――その記録の対象が、なぜ鉄棒の逆上がりになったのですか?

子供たちが逆上がりに取り組んでいるときに、これは面白い作品になると感じてビデオカメラで撮影するようになったんです。

――作品では何を伝えたかったのでしょうか?

「がんばればできる、努力すれば必ずできるようになる」ということです。実は、希望する子供たちにはVHSテープを用意してもらい、それにダビングしてあげているんです。全員が希望しましたよ。

――ということは、事前に上映会を行なったわけですね

はい。なぜか子供たちは自分が映ると恥ずかしがるんですが、そんな子ほど、早い時期にテープを用意してきました。私は、この全員で見るときがいちばん楽しい。そして、ビデオカメラで記録に残すことの重要性を再認識しているんです。

――再認識というと、他のシーンでも子供たちを撮影しているんですか?

運動会や発表会の時には、必ず撮影しています。こうして映像を撮影し、それを積み重ねることで別の価値がでてくることもあるんです。今は5年生の逆上がりの記録ですが、時間が経てば小学生時代の貴重な1シーンですから。実は、この記録に残すということは、恩師からいただいた教えなんです。「記憶よりも記録。残すことに価値が生まれる」と私が教員になる前に教わり、以来、それを実践しています。

――確かに、成長過程の記録映像はかけがいのないものですね

そうなんです。しかも自分一人ではなく、クラス全員が挑戦して成し遂げたという意識の共有は大きな収穫だと思うんです。

――そんな作品づくりで苦労されたところはありますか?

苦労というか気を付けていることがあります。全員を公平に撮影し、編集でも1人の漏れがないように仕上げるということ。これが意外に大変なところなんです。

――では、工夫されたところはどんなところですか?

昼休みや放課後に練習している子もいました。私も、いつもついて撮影することもできませんので、3割は子供たち自身に撮ってもらいました。映像が揺れて安定していないんですが、それがまたいいんです。撮影を経験した子の中には「カメラマンをしたビデオ作品がコンテストに入賞した」と作文に書いて喜んでいました。

――今回の作品を制作して良かったことはどんな事ですか?

入賞したことでインターネットで流され、他の先生方にも見てもらうことができました。多くの人に、作品を見せる機会は少ないので、とても喜んでいます。
「逆上がりをできない人が27人中18人いて先生はビックリしました」
「ただ、できないだけでなく、くやしがらないの、何でだろう」
「全員逆上がりできるようになろう。これは5年1組のプロジェクトXだ」
「何とか3月までに全員できるようになろう。まず逆上がり練習機を使って‥」
「学級会では1日10回以上練習する。できない人は5回以上応援することに‥」
「3月4日放課後、5年1組のプロジェクトXは、ついに達成です」
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